
小児レーザー治療
小児レーザー治療
小児レーザー治療は、主に乳幼児期から小児期にかけて現れる皮膚の病変、特に色素性病変や血管性病変に対して行われる医療処置です。レーザー光の特性を利用し、特定の組織にのみ選択的に作用させることで、周囲の正常な皮膚へのダメージを最小限に抑えつつ、病変の改善を目指します。
乳児血管腫(いちご状血管)
乳児血管腫(いちご状血管腫)は未熟な毛細血管が増殖してできる赤あざです。生まれつきのあざではなく、赤ちゃんや乳幼児の生後数週以内に湿疹のような状態で現れ、表面がいちご状になり急速に範囲が広がったり盛り上がりを呈するようになります。体の表面、どこにでもできる赤あざです。
単純性血管腫(サモンパッチ)
乳児・子どものおでこの真ん中、上まぶたや唇の上にできる赤あざの一種で新生児の約30%に見られます。圧迫すると一時的に色が消えます。ほとんどが赤ちゃん・乳幼児の1歳~1歳半までに薄くなっていきますので外来で経過を見ていきます。
単純性血管腫(ウンナ母斑)
乳児の頭部からうなじにかけてできる赤あざの一種です。圧迫すると一時的に色が消えます。3歳くらいの子ども時期までに薄くなることが多いです。頭髪に隠れる部位はレーザー治療を行いませんが、頸部にあるウンナ母斑で消退しない場合には色素レーザー治療を行います。
単純性血管腫
(先天性血管腫・ポートワイン母斑)
真皮の毛細血管の局所異常で、生まれつき存在する境界明瞭な赤あざです。色は明るいピンク色、紅色、紫色を呈します。皮膚が薄い乳児期より治療を開始することで治療効果が高くなります。無治療で年齢を重ねると皮膚が肥厚して紫色でボコボコした皮膚になることもあります。
赤ちゃん・子どもの青あざ
青あざはメラニン色素をもつ細胞が皮膚の奥深くの真皮にあるため青灰色~青~黒っぽく見えるあざです。生まれつき存在するもの、赤ちゃん、乳幼児など生後数週間で出現するもの、中学生・高校生など思春期以降に出現するものがあります。症状も徐々に薄くなっていくあざ、消えないあざとタイプが分かれます。
・顔の青あざ(太田母斑)
顔の青あざ(太田母斑)は上下眼瞼、強膜(白目の部分)、頬、側頭部、前額、鼻、耳など三叉神経領域に現れる青あざです。色調は青灰色~青~黒~褐色とメラニンが分布する深さで変わってきます。
・体の青あざ(異所性蒙古斑)
まれにお尻や腰以外の体に青あざが出ることがあり、これを異所性蒙古斑(もうこはん)と呼びます。大半は幼稚園や小学校などの学童期までに薄くなっていきますので経過観察が基本となります。色調が濃いものは大人になっても残ることがあります。
赤ちゃん・子どもの茶あざ
・扁平母斑・ベッカー母斑
表皮内のメラニン色素が増加して「茶あざ」となった状態です。多くは赤ちゃんなど生下時より存在することが多いのですが、遅発性扁平母斑といって中学校や高校など思春期になってから発症する場合もあります。遅発性扁平母斑はあざの中に毛が同時に生えてくることも多いのが特徴です。
・表皮母斑
ぶつぶつした茶色いあざで盛り上がっていることが特徴です。表皮の過形成によって生じ、自然に消えることはなく、他のあざと同様に体が大きくなるのに比例してあざも大きくなります。
赤ちゃん・子どもの黒あざ
・黒あざ
母斑細胞という細胞がメラニン色素を皮膚全体にわたって作り出すために褐色~黒色に見えるあざです。大きさも、ホクロのような小さなもの(母斑細胞性母斑、色素性母斑)から黒あざ、体の大部分を占めるような巨大色素性母斑と大きさも様々です。
赤あざ
青あざ
茶あざ
その他のあざ
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